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怒れる魂≪ゲルニカ≫

海外も飛行機も長距離バスも初めての友人とのスペイン二人旅の最後はマドリード。ソル広場のタブラオで目にしたフラメンコは二人の心を揺さぶり、体の奥に大きな熱い塊を残していった【女子二人旅-12】

怒れる魂≪ゲルニカ≫

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[アラブ首長国連邦ドバイ
[スペインマドリード コルドバ グラナダ ロンダ セゴビア
[千葉県成田市

旅行期間 10日間

旅行目的 世界遺産 /フリープラン

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旅行時期2015.07.10

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

今から80年程昔、人類史上初と言われる事件がありました。
それは、ナチス・ドイツによるゲルニカの無差別攻撃。
その当時、ゲルニカはバスク地方の文化の中心地で、スペイン内戦下にありながらも自由と独立を象徴する町として知られていました。

その町を警告もせずに襲ったのが反乱軍であるフランコ将軍と手を組んだナチス・ドイツ。
焼夷弾が世界で初めて使われ、逃げまどう何の罪もない人々を戦闘機が機関銃掃射でなぎ払いました。
家々は焼け落ち炎が蛇のように街路を舐めまわす…そんな地獄絵のような攻撃が、自由都市ゲルニカに対し行われました。

ナチス軍による攻撃の理由は“ゲルニカが共和国軍への物資の補給経路であったから”。
たしかにゲルニカは交通の要の地で共和国側の兵士や軍の車がその土地を通ることはあったかもしれません。
しかしそこには共和国側の軍隊は駐屯してはおらず、町の男も共和国側に徴兵されてしまい、女・子供だけが暮らす小さな町、それがゲルニカでした。
それなのに、ナチス軍は武器を持たない一般市民を無差別に殺戮することで共和国軍側の戦意を削ぐ…それだけを目的に、無抵抗の多くの民間人を死へと追いやりました。

この史上初の無差別攻撃のニュースは瞬く間に世界中へと広がり非難を巻き起こし、多くの芸術家の作品にも影響を与えました。
スペイン人の画家であったPablo Ruiz Picassoもその一人で、当時滞在していたパリでゲルニカへの無差別攻撃の知らせを聞き、抑えきれない怒りと抗議の気持ちを込めた一枚の絵を書き上げました。

それが、あの有名な絵画≪ゲルニカ≫です。

☆★☆★☆旅程 2015/7/10 - 2015/7/19☆★☆★☆
□7/10 成田発 夜 - EK便-
□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光
□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光
□7/13 グラナダ観光
□7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光
□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光
□7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動
■7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅
■7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-
■7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜

☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆
【1】灼熱のフライパンを歩く~旅の始まりは42℃の洗礼:
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/23981/
【2】双貌のメスキータ~コロンブスの発見は何をもたらしたのか:
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/24024/
【3】真夏が見せた蜃気楼~礼拝堂で見たものは…:
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/24604/
【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra :
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/24910/
【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜:
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/24938/
【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝:
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26253/
【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ 
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26259/
【8】ロンダの冒険/絶景を探しに行こう♪
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26283/
【9】一番行きたい白い村☆サアラ・デ・ラ・シエラへ
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26789/
【10】孤高の砦へダンジョン探検
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26790/
【11】ガイドブックにはないセゴビア
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26798/
【12】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/26803/

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

私がスペイン語を学習し始めたのはちょうど10年前。
インカのマチュピチュ遺跡への憧れがその原動力だった。
マチュピチュ遺跡のあるペルーへと行き、古のチャスキが走ったインカ道をほんの少しでも良いので自分の足で歩いてみたい…その思いだけで、スペイン語を始めた。

その2年後。少しはスペイン語が出来るようになった私は無謀にも母を連れてマチュピチュへと飛び、インカの遺跡の中を歩いていた。

(写真:2009年、インカ道にて)

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

そして、私の興味は南米の遺跡だけではなくスペイン語そのものへと向き、更に知識を深めるべく大学のオープンカレッジへと通うようになった。
初めてのオープンカレッジは、久しぶりの学生感覚でドキドキ。
先生は優しいだろうか…。期待半分、怖さ半分で受けた最初の授業での担当教官のホルヘ先生は、全然優しくはなかった。
初心者だろうが熟練者だろうがお構いなしで、早口のスペイン語で話をふってくる。
先生の話が半分も分からなく、涙がでそうなぐらい悔しかった。
でも、ここで辞める…なんてことは私の選択肢にはなかった。
なにくそ…と先生に喰らいついて行った。

そんな時に授業で取り上げられた教材、それがスペイン内戦に関するものだった。
スペイン内戦は歴史としては聞いたことがあったが、フランコって何?、共和軍って何?という感じで、スペイン語以上に私の知らない世界。
教材はJose Luis Cuerda監督の映画【La lengua de las mariposas(蝶の舌)】で、登場人物の描写を通してスペイン内戦について知識を深めた。

と同時に、スペイン内戦をモチーフとした絵画、版画、詩に興味を持ち、特にピカソの描いたゲルニカはいつか自分の目で見る機会があれば…と思っていた。

(写真:蝶の舌の日本語訳本。スペイン語初心者の私には全編スペイン語のテキストは厳しく、こっそり日本語の訳本を入手して、授業内容に合わせて読んでいた)

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

ソフィア王妃芸術センター

2015年の夏旅は灼熱のスペイン。
旅先がスペインと決まった時点で、旅のラストは≪ゲルニカ≫にしよう。
私はそう決めていた。

そして、本当に最後の最後。
明日はもう帰国便に乗るという日にゲルニカに会いにマドリードにあるMuseo Nacional Centro de Arte Reina Sofia(ソフィア王妃芸術センター)を訪れた。
訪れた時刻は、あえて夕刻の17時半を選んだ。

ソフィアのゲルニカの展示コーナーはいつ行っても混雑しているとの前評判だったが、唯一少しだけ空く時間があるのではないか…と私は考えていた。
それは夕方から19時までの間。

実はソフィア王妃芸術センターでは19時から館内の見学が無料となる。
だから、マドリードに滞在する多くの観光客は、わざわざ無料の時間帯を狙って18時過ぎから無料ゲートの前に並ぶことも多い。
それならば、17時半以降はあと1時間と少し待てば無料となる時間帯なのでわざわざ入場料金(8ユーロ)を支払ってまで入場する見学者の数は激減する筈だ…そう考えていた。

私の読みは大当たり。
18時台のゲルニカの展示室は見学者も少なく、30分をかけてじっくりと絵を鑑賞することが出来た。
(19時台の無料時間帯になったら、あっという間に室内は大混雑となったので、退散した)

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

ピカソの描いたゲルニカ(写真はポストカードより)。
人の目を持つ牛、折れた剣と花を持ち横たわる兵士、嘶く馬、人魂の様に浮遊する女の貌、子の亡骸を抱える女…、様々なモチーフが描かれている。

美術の解説書では絵の中のそれぞれのモチーフには意味やメッセージが隠されていると示唆しているものも多いが、ピカソ自身は「牡牛は牡牛だ。馬は馬だ。もし私の絵の中の物に何か意味をもたせようとするなら、それは時として正しいかもしれないが、意味を持たせようとするのは私のアイディアではない。君らが思う考えや結論は私も考えつくことだが、本能的に、そして無意識に、私は絵のために絵を描くのであり、物があるがままに物を描くのだ。」と語っている。

ゲルニカは理解できない部分も多い絵だが、絵を眺めていた私が1つだけ思ったのは、絵の中央上部に描かれた電球のようなモノは、ゲルニカの町の上に投下された焼夷弾を表しているのではないかということ。
ナチス・ドイツが落とした爆弾、ソレが女・子供・家畜…あの時ゲルニカの町にいた何の罪もない人達や動物たちを焼き払ったことを意味するのではないか。
そんな風に感じた。

(一般的には、ゲルニカの絵の電球は、太陽や希望を表すと解釈されることが多い)

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

ピカソがゲルニカの制作に要した日数は僅か2週間。
人類史上初の無差別攻撃に怒りを感じたピカソは、寝る時間も惜しんで絵を描いたそうだ。

こうやって書くと、ピカソってなんだか聖人みたいに凄い人にも思えてくるのだが、素顔のピカソはかなりお茶目で自由奔放な人間だったらしい。
その自由奔放さの1つがピカソが愛した女性の数で、彼はその一生で9人の女性と愛人関係(勿論、正妻もいた)があったと云われている。
そして、ピカソは愛人の姿をその時々の絵にも取り入れていた。

先程、紹介したゲルニカの絵。
実はこの中にも愛人をモチーフとした女性が二人描きこまれている。
1人は浮遊した人魂みたいな顔の女性で、もう一人は上の写真からは切れてしまっているが絵の右側に書きこまれている女性だ。
この二人の女性は、ピカソがゲルニカを制作している傍らでどちらが愛人の座を射止めるか熾烈な争いをしていて、一説によれば、ピカソはそんな二人の姿から嘆き悲しむ女のインスピレーションを得たのだとも云われている。

白黒の色のない世界で歴史的な悲劇を描いたゲルニカは、見る人の心に重くのしかかる絵。
重いテーマの絵なのだが、展示室内にある制作過程の様子を写したパネルを見ながらピカソの心の動きを感じ、更に画家の背景に広がる人間模様を考えながら眺めるのは、非常に面白かった。

(写真:ピカソ;Busto de mujer sonriente(微笑む女)、Mujer en azul(青の女))

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

ソフィア王妃芸術センターにはダリの絵も何点かあり見応えもあったのだが、私的にドキリとしたのが、ダリの作品と同じ部屋に展示してあったスペインの女流画家Angeles Santos Torroellaの絵。

(写真:Salvador Dalí. Visage du Grand Masturbateur/ポストカードより)

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

Juan Ramón Jiménezの詞からインスピレーションを得たというこの絵のタイトルはun mundo(世界)。
3m×3mという大きな額の中に浮かぶのは立方体の四角い世界。
その四角な世界の中には日常の生活風景があり、ダリの描くシュールレアリズムの世界に似ているところもあるが、女性らしい優しさに溢れる絵。

102歳まで絵筆を握り続けた画家Angeles Santos Torroella。
この日、ここに来るまでAngeles Santos Torroellaのことは全く知らなかったのだが、彼女のことがもっと知りたくなってしまった。

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

入場料が無料となる19時を過ぎた美術館の中は人で溢れていたので、私たちは退散。
アトーチャ駅から地下鉄でSol駅へと向かい、やってきたのはマドリードで一番賑わう広場;Puelta del Sol(プエルタ デル ソル:ソル広場)。
時刻はもう20時近いが、景色の感覚的には未だ夕方だ。

金曜の夜だったのでマドリードの中心部はもっと人で一杯なのかと思っていたのだが、そんなでも無かった(実は、これは勘違いで22時台のソル広場は人で溢れていた)。

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

そんなソル広場を歩いていて見つけた不思議な風景。
パッと見は普通の町の風景だが、よく見ると…。

これは、工事の覆いのブルーシートの代わりに掛けられたトリックアートシート。
写真右のオレンジがかったビルと左の黄色い建物は本物だが、その間にある道はシートに描かれた絵。
この工事現場の為だけに描かれた絵なのだが、工事用のシートというよりは芸術作品みたいだ。
ここでしか使えないシートなのに、凄い遊び心だよね。

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

友人と私がソル広場へと来た理由…、それはあるタブラオを探していたから。
昨晩ホテルにチェックインした時に受付のお兄さんに、ソル広場にあるVilla Rosaがお勧めのタブラオ♪との情報を教えてもらっていた。

Villa Rosaの受付では、何人かが並んで予約の手続きをしていた。
漏れ聞こえてくるのは、次の公演は満席で予約できるのは22:30の回…と言われている声。
22時半と言えばあと2時間後だから、この日セゴビアで一日歩き回って疲れている私達にはその時間まで待つのは厳しいかな…。

そして、私たちの順番が回ってきた。
受付のお姉さんに次の公演の席の有無を聞いたところ、お姉さんの返事は「二人席なら最後の1つが空いているわ♪」。
私たちって、なんてラッキーなんだろうと友人と二人で喜んだ…のだが、お姉さんの次の一言で私達二人は凍りついた。

お姉さんは奥のホール係に向かって「お子様、二名入りま~す」と叫んだのだ。
実際に彼女が使った言葉は、ninaというまだオトナになっていない女性に対する呼び方なのだが、友人と私は顔を見合わせて苦笑い。

この後に頼んだドリンクで、強ーいアルコール飲料をお願いしたのは言うまでもない。

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怒れる魂≪ゲルニカ≫

タブラオでは、食事を先に食べてからフラメンコのショーを見る。
ショーまであまり時間も無かったので、サラダ、トルティージャ、パエリアで軽く腹ごしらえ。

でも、パエリアを食べている最中で21時となり、フラメンコの踊りが始まった。

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