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暁の女神が纏う羽衣

-20℃のアンナプルナの朝。そんな寒いのに夜明け前に私がいた場所は…丘の上。何のためかって? それは・・・【神々の峯へ-5 ABC Trek Day-5 ( アンナプルナBC→チョムロン)】

暁の女神が纏う羽衣

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暁の女神が纏う羽衣

Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

朝日と夕陽、どっちが好き?と聞かれた時、新潟生まれの私が選ぶのは、断然、夕陽。
日本海に沈む真赤な太陽は子供の頃から見慣れた光景で、夕闇の中にとろけそうになりながら海へと同化していく夕陽は私にとっては、故郷そのものの風景です。

しかし、相棒と共に2018年のお正月に歩いたヒマラヤ;アンナプルナ・ベースキャンプ(通称ABC)で見た朝の光景は、私に衝撃を与えました。

澄みきった天から降ってくる紅の光。
輝く光は雪化粧した山を照らしだし、ヒマラヤの峰々は朝日を浴びた瞬間に紅色に輝きました。

そう、それは自然が演出するダイナミックなショータイム。

雪に覆われた白い峰に朝日があたり、空の雲もろとも染め上げられた様子はまるで豊穣の女神が紅の羽衣を纏ったかのようで、山の朝焼けなど見慣れているはずのガイドさんすら口をポカンと広げるほど。

ABCで眺めた朝焼けのアンナプルナは、私自身にとっても忘れられない光景となりました。

★2017年末-2018正月 ABCトレッキング旅 日程★
□12/29 羽田(00:20)-バンコク-カトマンズ-ポカラ(15:00)
    タイ航空 イエティ航空利用
・12/30-1/5 6泊7日 ABCトレッキング
 ・Day-1 12/30 ポカラ→シワイ→チョムロン(2170m)
 ・Day-2 12/31  チョムロン→ヒマラヤ・ホテル(2920m)
 ・Day-3 1/1 ヒマラヤ・ホテル→マチャプチャレ・ベースキャンプ(3700m)
 ・Day-4 1/2 マチャプチャレ・ベースキャンプ→アンナプルナ・ベースキャンプ(4130m)
 ■Day-5 1/3 アンナプルナ・ベースキャンプ→シヌワ(2360m)
 ■Day-6 1/4 シヌワ→ジヌー(1780m)
 ・Day-7 1/5 ジヌー→シワイ→ポカラ
□1/6  ポカラ-カトマンズ イエティ航空利用
□1/7  カトマンズ(13:55)-バンコク-(成田)
□1/8  -成田(06:15) タイ航空利用

★2017年末-2018年始 ABCトレッキング旅 旅行記★
・ビザの取得は忍耐の連歩 http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27528/
・大和撫子 山岳民族に勝負を挑む♪ 
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27547/
・高山病は妊夫の気分
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27570/
・荒ぶる女神の抱擁
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27612/
・暁の女神が纏う羽衣
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27688/
・秘湯デビュー@ヒマラヤ
http://tabisuke.arukikata.co.jp/album/27709/

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

2018年の新年を迎えたのはネパール。

相棒と共に7000m、8000mの山々が連なるヒマラヤ山脈の中で正月を迎えた。
一番の希望を云えば、今回の旅のメインであるアンナプルナ・ベース・キャンプ(通称A.B.C.)で初日の出を拝みたかったのだが、サラリーマンという勤め人の身ではそこまで我儘を云う訳にはいかず、標高4130mのABCへと登りついたのは2018年へと年が変わった1月2日;ポカラを出発して4日目のこと。

4000mを超える高地へのトレッキングは私もこの旅が初めての経験でどのような反応を体が示すのか全く未知数だったが、飛行機で急に高度を上げるのとは異なり自分の足で一歩一歩標高を上げていく為か体の反応は思っていたよりも緩和で、高山病治療薬(予防薬)のダイアモックスを必要とするような状態にはならなかった。

しかし、旅のパートナーである相棒は…。

日本でひいていた風邪がトリガーとなった悪心(おしん:高山病の症状の一つ)が彼を襲い、トレッキング初日の夜から食物の匂いを嗅ぐことも食べることも出来ない状態へと陥ってしまった。
日頃から体を鍛えぬいている相棒と言えども強制ダイエット登山はかなり堪えたようで、ABCへと辿り着く頃には頬もげっそりとこけ、ガイドさんを心配させてしまう程となっていた。

そんな状況の相棒だったのだが、さすが昔は山男として鳴らした漢!
ABCへと到着しアンナプルナの姿を目にしてから、彼の状態は少しずつ快方に向かい始めた。
まるで、豊穣の女神であるアンナプルナの山々が弱り切っていた相棒に不思議なパワーを授けたかの様で、ABCへと到着してからは断食状態を抜け出し、煎餅などの日本のお菓子ならば喉を通るようになった。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

そして、ABC(アンナプルナ・ベースキャンプ)と言えば、忘れられないのが天候の急変。

ヒマラヤのトレッキングの旬は乾季の冬で、私達がトレッキングをした年末年始も基本的には天気は毎日晴れ♪だったのだが、ABCに到着した日の午後だけは天気が悪化し、目の前が真っ白になる程の猛吹雪が吹き荒れ、日中の気温もマイナス15℃まで下がる荒天となった。

この写真はABCへと到着した夕方に撮影したマチャプチャレ山だが、午前中は地面は枯草で覆われマチャプチャレ山にも茶色い山肌が見えていたのに、夕方には山だけではなく地面までの360℃全てが真白く雪化粧し、別世界の様に変貌していた。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

そんな吹雪の後の一夜を過ごしたABC(アンナプルナ・ベースキャンプ)の夜。
ここまでの3泊の山小屋では、夜もそんなに寒くはないなぁ…なんて思っていたのだが、さすがに4000mを超す標高ともなると夜間の冷え込みも厳しかった。

ダウンの寝袋の中に入っている体は体温で温められた羽毛のお蔭で暖かだったのだが、唯一部屋の中に露出している顔が冷たくて、夜中に顔の冷えで目が覚めてしまった。
だから、顔ごと寝袋の中に潜り込んだのだが、これはあまりいいアイディアではなく、寝袋の中が呼気で湿気りそうになってしまい5分で諦め、顔の冷たさは諦めて寝ることにした。

そして、朝5時半に起床。
山に居る間は寝る時も起きている時も着ているモノは殆ど変らないので、寝袋から抜け出した後は、髪の毛を梳かす程度の身支度を整えれば準備完了となる。
因みにABCに居た時の服装はこんな感じ↓で、山道を歩く時はダウンジャケット、帽子、手袋を着用していた。
・上:モンベル製の極寒地仕様の長Tシャツ+ユニクロ製のハイネックフリース+秋冬用ネルシャツ
・下:モンベル製の極寒地仕様のスパッツ+モンベル製冬山ズボン

起床後は寝袋の中で靴下を履いたり、下着の位置を直したりと暫くもぞもぞしてからトイレへ。
トイレは外にあるので、予想通り手洗い桶の水はカチカチに凍り、とてもその水を利用してお尻を洗える状態ではなかった。
こんな時、ムスリムの人達(イスラム教の信者さんたち)はどの様に対処しているのだろうか。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

朝6時15分。
まだ夜が明けきらぬ前にヘッドライトを付けて、雪の中を歩き出す。
そんな暗い内にどこへって…。

周りの部屋でも朝の支度を始めていて、私たちと前後して他の方たちもしっかり防寒具で身を固めて外へと出てきていた。

私達、早起きした者たちが目指す場所。
それは、山小屋の裏にある小高い丘の上。
6時30分の日の出に間に合うように小屋を出る。

空は刻一刻と白んできて、小高い丘の上に着く頃にはマチャプチャレ山(6993m)の鋭い峰が明けてゆく空を背景に浮かび上がり、色のないその景色は墨絵のよう。

昨日の夕方の夕焼け色のマチャプヤレも素敵だったが、墨絵風なのもなかなか良い。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

昨日は恥ずかしがって雲の中にかくれんぼしていたアンナプルナ本峰(アンナプルナ1st:8091m)もこの日の朝はその姿を見せてくれていた。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

アンナプルナ本峰の左にはアンナプルナサウス(山):7219mの姿もクッキリ。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

6時32分、予定より2分遅れで朝の太陽がアンナプルナの山々を照らしだした。  

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

もっと緩やかにお日様が当たるのかと考えていたのだが、朝日の登場はドラマティック。

朝日のファースト・ビームがアンナプルナ本峰の稜線を照らしだしたその一瞬の色は、燃え立つ紅。

まるで純白の天女が緋色の羽衣を羽織ったかのような感じ。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

その美しさに見とれつつも、慌ててシャッターを切ったのだが…。
天女の羽衣が見えていたのは、1分にも満たない短い間。
あっという間だった。

燃え立つ紅色は徐々に薄れ、山肌の色はオレンジっぽいピンク色へ。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

太陽高度は徐々に高くなり、お隣のアンナプルナサウス(山)も赤く染まっていた。

恒星である太陽が地球に対して絶妙な位置にあるからこそ生まれでるこの景色。
これこそ、人知を越えたミラクルなのかもしれない。

ガイドさんはこんな景色はアテンドする度に見ていると思うのだが、その彼ですら食い入るようにして景色を眺めていた。
ガイドさん曰く、ココまで美しい朝の光景は珍しいとのこと。

もしかすると昨日の午後の雪が空に浮遊する塵を落とし、太陽の光が散乱することなく山肌まで届いていたのかもしれない。

スペクタルな朝のショーはアッと今に終了し、10分後の6時45分にはもういつもの山の色。
山の色が戻ったのを機に、朝食をとりに山小屋へと戻ることにした。

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Annapurna Base Camp(通称ABC アンナプルナベースキャンプ)

アンナプルナの小屋での最後の朝食はフレンチ・トースト。
ここは4000mの山の上だが、食材はヘリで運ばれてくるので想像以上にバラエティ豊かなメニューが揃っていた。

相棒の朝食は、臭いのしないボイルド・ポテトだけだったのだが彼が食べられたのは小さなジャガイモ2個だけ。
それでも、何も食べられない状態よりはマシだろう。

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暁の女神が纏う羽衣へのコメント

animoさん  2018/03/08 19:54

自然が作り出す造形は、時としてヒトの想像を超えますよね。

すみとさん  2018/03/07 17:36

ヒマラヤ襞は一瞬作りものか何かと目を疑うほどに不思議な景色ですね。
驚きました!(^^)


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