海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP  > 旅スケTOP微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房の旅行記

微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

GWは藤と躑躅を愛でにお出かけ。濃い紫~淡いピンクの藤、斑入りから真赤な霧島躑躅までその花色はグラデーション。初夏を思わせる日差しの中、花からあふれ出るエッセンスをたっぷりと浴びてきました。

微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

木枯らしが関東平野を吹き荒れていた頃、150年の齢を重ねた貴婦人が一人語りを聞かせてくれました。
彼女が紡ぎだす物語は幻想的で儚げで…、心の奥底にじんわりと沁みこんできました。

そして、春。
私は再び貴婦人に会いました。

春のひと時は1年中で彼女が一番輝く時。
大きく広げた貴婦人の腕には無数の花房がつき、微風が揺らす花房の簾は、命の樹のように神秘的ですらありました。

ゆらゆら揺蕩う藤房の花。
それは、まるで春が奏でる幻想曲に身を任せているかのよう。

永き齢を重ねる貴婦人と春が奏でる藤色の光。

彼女には私達人間には見ることのできない未来が見えているのではないか…。
そんな気がした夜でした。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

今年の春の足音は急ぎ足で桜もあっという間に終わってしまい、街路樹の花水木だってGWを待たずに花びらを落とし始め、例年とは1週間位花のピークが早めにシフトしている感じだ。

そんな2018年の春。
私にはどうしても会いたい樹木;藤の貴婦人があった。

5か月前の冬、私は微睡む貴婦人の見る夢の世界へと迷い込んだ。
そこは、木枯らしが吹き荒れる中の紫色の幻想世界で、彼女は寒空の中に凛として立ち「私を見て…」と囁いていた。
貴婦人の腕には光り輝く幻の花が咲き、その様子は夜の闇の中を舞う蝶のようで、ひと時の夢を私と貴婦人は楽しんだ。

そして、春。
貴婦人の夢の世界がこの世に蘇る7日間がやって来た。
365日の中のたった7日間。
その1日を彼女と共有すべく、私は旅だった。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

藤の貴婦人がいるのは栃木県の足利フラワーパークで、藤の最盛期はその入場料が1800円という吃驚するような価格になる植物園。
栃木県は私が居住する埼玉と同じ関東エリアとはいえ、我が家から足利フラワーパークへと電車で行く場合の所要時間は片道2時間と決して近くはなく、交通費だって安くはない。

少しでも安価に植物園へと行く手段はないものか…と思って探していた時に見つけたのが、東武鉄道が販売する【春の花めぐり】切符で、この切符は公共交通機関でアクセスする旅人にとってはかなりお得。
例えば北千住駅から東武線に乗る場合の料金で計算すると、交通費+入園料で4560円となる筈のところが【花めぐり切符】を使えば3030円となる。
つまり、1500円が割引になるというお勧め切符だ。
(電車代、バス代金を普通に支払った場合、通常入場料金1800円→300円まで割引されるとなると考えると、割引率の大きさが実感できる)

更にこの【花めぐり切符】にはオマケがついてきた。
この切符には、道中にある茂林寺駅から佐野駅までの間は乗り降り自由と言う特典がついていて、前々から4月の終わり頃にいつかは行ってみたいと思っていた和の花園【館林つつじが岡公園】へも立ち寄ることができた。

【館林つつじが岡公園】はその名の示す通り躑躅(つつじ)で有名なのだが、その株数が半端なく、100余種約10000株のツツジが公園を覆い尽くすというダイナミックさ。
日本各地の躑躅園の中でも、その規模は3本の指に入るという。

と云う訳で、貴婦人が待つ栃木県の足利フラワーパークへと行く前に群馬県館林へと立ち寄ることにした。

(写真は館林市のマンホールの蓋はタヌキさん。分福茶釜の昔話のモデルとなった茂林寺に由来するのだろう)

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

【館林つつじが丘公園】があるのは群馬県館林市。
館林市は、夏に日本一の最高気温を記録する町として名を知られているところだ。

私が出かけたこの日も4月末だというのに、初夏を思わせる太陽の陽射し。
フライパンの上を歩いているように暑い。
歩道のオブジェがギラギラと輝き、お昼の時間帯だというのに歩道には人っ子一人いない。

さすが、日本一の暑さを誇る地方。
地元民は太陽の強烈さを心得ているので、4月と云えども陽射しの強い日中は外出しないのかもしれない。

館林市の公園案内のホームページによると、館林駅から躑躅の咲く岡までは徒歩30分とのことだったが、それはかなりの健脚の方の話ではないかな。

駅からの歩道沿いにはところどころに案内看板があり【館林つつじが丘公園】への道に悩むことはなかったが、その距離は結構長く、歩くのが早い私でも35分を要した。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

駅からの道は15分位は大きな道路沿いなので面白みに欠ける道だが、途中から緑あふれる公園の中を突っ切る道へとなる。
公園内には見所がいくつかあり、花水木が盛りを迎えていていた。

鶴生田川の川面には空を泳ぐこいのぼりの姿。
こいのぼりと言えばGWの風物詩で、節句に上げるいのぼりは田舎では当たり前の光景なのだが、鶴生田川の場合はその数が半端なかった。

こいのぼりの数を数えながら川沿いを歩いてみたのだが、200匹を超えたところでギブアップ。

帰宅時の電車の中で調べてみたら、館林市の5月のこいのぼりはなんとギネス記録を持つ世界一のこいのぼり祭りだというコト。

こいのぼり祭りの会場は鶴生田川だけではなく、近隣の川とジョイントして行っていて、ギネス認定されたのは5283匹のこいのぼりが空を泳いだ年だという事だった。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

館林駅を歩き出して35分後に辿り着いたのが、公園内のツツジの咲くエリア。

今まで私が見たことのある躑躅(ツツジ)と言えば庭木のように丸く剪定された木が殆どだったのだが、この公園の躑躅は基本的には自然のままを生かした状態。

まるで野生のツツジが生える山の中へと来たような感じだ。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

そして、その地にツツジを植えた榊原家が愛したのが江戸時代に東京都大久保でつくられていた江戸キリシマツツジ。
江戸キリシマの特徴は緋色や紫系の花で、白花は希少種とのことだ。
園内に赤いツツジの花が多い理由もそれで納得できる。

城主が何代にもわたって守ってきたツツジの咲く丘は、館林市へと管轄が引き継がれ現在に至る訳だが、400年続いてきたツツジが咲く丘もずっと平穏だったわけではない。

これは公式情報には書いていない内容(書くわけにはいかない情報だと思うが)だが、そう遠くはない昔に、つつじが岡公園のツツジが一斉に死にかけたことがあるそうだ。
ツツジが枯れかけた理由は、栄養不足。

噂によると、市が準備したツツジ育成用の予算を着服した輩がいて、そのせいで栄養豊富な肥料を買えなかったとか…。
コトの真相は闇の中なのだろうが、人の口に戸は立てられぬし、火のない処にも煙は立たないので、ある程度真実を含んだ話ではなかろうかと私は考えている。

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現在のつつじが岡公園は【新公園】と400年前から続く【名勝:躑躅ヶ岡】の二カ所にツツジの群落があり、歩き始めは新公園のツツジのトンネルから。

薔薇の蔦を這わせたアーチなどは西洋庭園で良く見かけるが、和の庭園で躑躅ツツジのアーチ(トンネル)なんて初めて見た。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

トンネルを彩るのは八重ケラ霧島ツツジの赤い花だ。

ツツジには様々な品種があり、薔薇のように咲く花もあった。
公園に入って最初の頃はそれぞれの特徴と花の名前も覚えようと努力したのだが、100種も有ると書かれた案内板を見て、挫折。

だから、写真の花の名前は、覚えていない。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

青空に映えるツツジの花。

真っ赤なツツジのトンネルの中を潜ると、甘い香りが頭上から漂ってくる。
子供のころから眺めてきたが庭木のツツジが、こんなに香り高い花だとは知らなかった。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

古くからある躑躅ヶ岡のエリアに入ると、岡の名前が示すように小高い丘陵上になっていて、まるで自生する山ツツジを見ているかのようだった。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房

躑躅園には室町時代からこの地に根づく800年の寿命を保っている古木もあった。
紅色が美しい躑躅なのだが、その由来がなかなか凄くて、新田義貞が愛する妻の為に植えた木だというコト。

足利尊氏と好敵手であった新田義貞。
800年も前に生きていた有名人が植えた植物が、今を生きる私の前にあるということが、なんだか不思議な気分だった。

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微睡みからの目覚め/異世界に揺れる花房へのコメント

animoさん  2018/05/23 22:24

2018年はフラワーパークの藤と館林の躑躅の満開の時期が重なり、ラッキーでした。
フラワーパークの藤ですが、私の感覚では大藤が一番艶やかに見えるのは、公式ホームページで【満開】が表示となった日+1日or2日後だと思います。公式がまだ【見ごろ】の頃は開ききっていない蕾が多そうです。せっかく夜の藤を愉しみに行くならば、最高のコンディションの日に行ってみてくださいね。

にゃもにゃもさん  2018/05/23 18:19

足利フラワーパークの藤、本当に大きいし美しいですよね。
何年か前に見に行って感動しましたが、ライトアップは見たことがありませんでした。
こんなに綺麗だとは…!俄然暗くなる頃に行きたくなりました。

そして館林つつじが岡公園は知らなかったのですが、こちらも素晴らしい公園ですね。
来年の開花時期にこちらの旅行記参考に花巡りしたいと思いました。

animoさん  2018/05/09 19:58

冬に電飾で彩られた大藤を見て、コレは、春先にもいかなくては…と思っていた時に見つけた東武鉄道のセット切符。
【花めぐり切符】はJRには乗れませんが、上手に使えば入園料が数百円になる値引き率なので、非常にお得ですね。
この切符は期間限定発売で2018年の期間は4/21-6/3となっています。

あしかがフラワーパークだけではなく東武トレジャーガーデンが対象となっている券種もあるので、今シーズン、まだまだ使えますよ。

makoa187jpさん  2018/05/08 13:23

東武鉄道【花めぐり切符】、知りませんでした。
今年の春も充実の花散歩ですね。


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メモ

交通費(往復)+入場券::東武鉄道【花めぐり切符】 3030円
東武トップツアーズで購入。日付指定で変更不可。
北千住~あしかがフラワーパークまでの交通費、フラワーパークの入場料を含む。
普通に切符や入場券を購入したら4560円なので、かなりお得♪
(大藤が満開の時期の通常入場券購が1800円なので、北千住からの往復交通費が1230円で収まる計算)

食事はフラワーパークでの休憩時間に、佐野ラーメン700円で。

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