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柿の種は 賢者の石だったのか!?/《特別展 ミイラ》永遠の命を科学する

上野で開催されている特別展:ミイラに開催初日にひとりで行ってきました。 家族からは、【ミイラ】展に一人で行くなんてよほどミイラが好きなのだねと冷やかな視線を感じましたが、興味のあるモノは変えられません

柿の種は 賢者の石だったのか!?/《特別展 ミイラ》永遠の命を科学する

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柿の種は 賢者の石だったのか!?/《特別展 ミイラ》永遠の命を科学する

私が特別展 ミイラへと出かけたのは開催初日の11/2。
ソレも開場前に並んだ・・・ということは、私のミイラに対する情熱がどれほどのものか分かっていただけると思う。

しっかりと前売り券もネットで買って(前売り1500円)、準備万端。

家族は私のことを鼻で笑ったけれど、初日の開場前に並んでいたのは私だけではない。
少なくとも100人くらいはあの場にいたのではないかな。

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今回開催された特別展ミイラの特徴は、なんと言っても世界各地域を代表するミイラたちが43体も一挙に東京に集められたこと。
過去にもミイラをターゲットとした展覧会は、エジプト展やアンデス文明展など地域を限ったエキシュビションとしては類似のものが何度も開催されているが、今回のように世界中からいろんなタイプのミイラを集めた展覧会はかなり珍しくて貴重だ。

その上さらに凄いのが、来日したミイラの内、許可を得られたミイラについては、病院の協力の下、CTスキャンなどの医療機器を用い、目で観察するだけでは分からない場所やミイラの皮膚の下の内側がどうなっているのか、脳が残っているのか?内臓は残っているのか?などを、ミイラの外側から体に傷をつけずに科学的・医学的に観察・研究したという点。

今回の医学的な調査により、今まで見落とされていた部分が数多く発見されている。

(写真:人間の脳の輪切り)

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特別展は写真・動画撮影は一切禁止なので、今回の旅行記の写真には展示物の写真はなく、当日に展覧会場で配布されたリーフレットに紹介のある写真と私個人の写真を併用してのイメージ画像となるが、展覧会を通して私が感動した永遠の命;太古の昔から権力者たちが手に入れたいと渇望した死後の命について書いてみたいと思う。

(写真:エジプトのミイラ/東京国立博物館)

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今回のミイラ展は4つの章(ブース)に分かれて展示されてるのだが、ブースは時代の古い順に並んでいるわけではなく、地域ごとに区切られている。
だから、1~4の何処のブースから見ても、展示内容が混乱することはない。

私が入場したときには1番目のブースが大混雑だったので、あえて先に進んでガラ空きの3番ブースから見学し始め、1巡目は3→2→1→4、2巡目は1→2→3→4の順番で展示物を見た。

最初に訪れた第3ブースはヨーロッパのミイラの展示。
ヨーロッパのミイラといわれてもあまりピンとこなかったのだが、展示されていたミイラ達(たった3体しかなかったが)は私の概念を覆すモノだった。
ミイラと言えば、エジプトの包帯グルグル巻きやインカ帝国の置物式ミイラしか頭の中になかったのだが、今回、ヨーロッパのミイラはソレには当てはまらないものだった。

まず欧州ミイラの1つ目は、アンナの装飾頭蓋骨。
写真の頭蓋骨は今から200年ほど前のオーストリア女性。
頭蓋骨の持ち主である彼女が亡くなったときに、ご家族が白骨化した頭蓋骨に彩色し、頭の右に彼女の名前であるAnnaと記し、さらにかわいらしく薔薇の花柄で装飾し、教会に納骨したモノがミイラとして残されている。

頭蓋骨に装飾を施すとは日本人的には思いつかない気がするが、髑髏が教会装飾モチーフとして一般的であった欧州ではあまり抵抗がなかったことのようだ。

(写真:Annaの頭蓋骨)

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そして、欧州からは骨なし・皮だけミイラというモノが見つかっているという事実に驚いた。

骨がないミイラって一体、何?
皮だけのミイラって、どういうモノなのか?

実物を自分の目で見るまで、骨なし・皮だけミイラが想像できなかったのだが、見て納得。
なめし革のようなミイラだった。

彼ら二人の男性が発見されたのは、オランダの湿原。
推定で紀元前40~50年頃に死亡した男性ということだ。

体の中の骨は溶け、皮膚だけが残った状態の極めて稀なミイラなのだが、どうしてこのような事が彼らの身に起きてしまったのか。

その理由は、彼らが沈んでいた沼に関係があった。

(写真:ウェーリンゲ メンのミイラより)

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通常、動物が死んでその生命活動が停止すると、ハエなどの昆虫や微生物がその体に宿り、ゆっくりと餌として皮膚などのタンパク質を消化し、最終的にはすべての生物の構成物は他の生き物のエサとなり、無くなってしまうことが多い。
しかし、死亡した場所や死亡後に閉じ込められた場所が酸素のない場所だった場合、そのような経過を辿らないケースもある。

オランダのブールダング湿原で発見された2体のミイラ男性(名前はウェーリンゲ メン)は、沼の泥の中、つまり酸素のない場所で発見されている。

生息環境に酸素がなければ、昆虫や一般的なバクテリアは生きる事はできない。
稀に嫌気性を好むバクテリアもいるが、そういう奴らは大抵100℃近い高温下を好み、冷たい沼は好まない。

昆虫やバクテリアのいない沼の中に閉じ込められた遺体は温度が低く保たれていれば、腐ることも虫にたかられることもなく、そのままの姿を維持し続けることができる。

しかし、ウェーリンゲ メンのミイラはヒトの完全体ではなく、なぜか骨だけがその体からなくなり、抜け殻のような皮膚だけが残されていた。

何故に、ウェーリンゲ メンから全身の骨が失われたのか?
100年前だったら宇宙人の遺体にされていたかもしれないこのお二人だが、骨がなくなったのには理由がある。

彼らから骨を抜き去ったのは、沼の泥の仕業。

コーラで歯が溶けるという話を聞いたことがあると思うが、あれはほんとの話。
ただ、コーラだけではなく炭酸飲料であれば、すべて人間の歯を溶かすくらいの力は持っている。
歯=骨と考えるとわかりやすいのだが、実はウェーリンゲメンの骨なし・皮だけミイラが発見された沼の泥の液性度がちょうど人間の骨を溶かすのにちょうど良いpHだったのだ。

炭酸温泉、アルカリ性温泉があるように地中から湧き出る地下水の水質は地域により異なるので、酸性の沼で死体の骨だけが溶けるというのは十分にあり得る話だ。

ところで、欧州で見つかっているの皮だけミイラはどんな方だったのか。
その生前の様子だが、現在分かっているのは、死亡時に足首や手首を縄のようなモノで縛られ、泥に沈められたらしいと言うこと。
神への生け贄か、もしくは罪人として殺されたことは確かなようだ。
沼という観点から考えると、神に対する供物なのかもしれない。

(写真:五色沼/福島県)

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欧州のミイラとして最後の紹介は、アイスマン。
アイスマンはまだ研究中の部分が多いためにそのミイラ本体は来日しておらずに、ストーリーのみの展示だったが、十分に興味深かった。

アイスマンは世界最古の冷凍ミイラで、1991年にアルプスの氷河の中から体の一部が発見された。
発見当時は遭難者遺体かと思われていたのだが、氷の中から全身をとりだしてみると、なんと5000年前(日本は縄文時代)の人類の冷凍遺体であることが分かったそうだ。

(写真:Juklavass Glacier/ノルウェー)

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通常、ミイラと言えば腐敗防止の観点から内臓などを取り出しておなかの中は空っぽか、残っていたとしても水分が失われ、元がどのような状態なのかを知るのは不可能なことが多い。
しかし、アイスマンは水分たっぷりの完全冷凍体なので、皮膚表面は乾燥していたものの体内は死亡時直後の状態が5000年間維持され、胃の中にはアイスマンが最後に食事をした内容物までしっかりと残っていた。

また、靴の付着物などからアイスマンが何処で生活し、どのようなルートでアルプスの山の中へ入ったのかという彼の生前行動までが現代科学では読み取る事ができているそうだ。

(写真:Nigards Glacier/ノルウェー)

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アイスマンの発見は奇跡的な世紀の大発見なのだが、皮肉にもこの発見に一番貢献しているのは地球温暖化現象による氷河の融解だ。

世界中の氷河が毎年進む世界的な平均気温の上昇に伴って溶けていて、5000年前に氷の上で死亡したアイスマンの遺体までを地上にさらすことになったというのが今回の発見の真相だ。
今後、温暖化がさらに進めば、他のアイスマンやアイスウーマンなどが見つかるかもしれないが、温暖化の進行と考えると嬉しい事ではないかもしれない。

アイスマンに関して展覧会情報ではないが、“アイスマンの呪い”という話が巷には存在するので、そのさわりを紹介だけ。
アイスマンの発見に携わった7人の人々が、自然死ではない事故死で死亡しているという話なのだが、ツタンカーメンの呪い同様にミイラにはこうした話がついて回るようだ。

(写真:Nigards Glacier/ノルウェー)

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ミイラ展第2ブースはアフリカ;エジプトのミイラ。
王家の谷からはツタンカーメン王のミイラ(レプリカ)がやってきていた。

(写真:ハトシェプスト女王の葬祭殿/ルクソール(エジプト))
 

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エジプトのミイラに関してはエジプトでもかなり見ているし、関連の展覧会にも何度も足を運んでいるので、ミイラの作り方だってよく知っている。
今展覧会での目新しい情報は少なかったかな。

(写真:ワニのミイラ/大英博物館)

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今回のエジプト・ブースで興味を引いたのは、ミイラを包む包帯の麻布についての展示で、麻布はただの白い布ではなく、王族に巻く布ともなると布に“死者の書”の内容を事細かに記したモノを使ったそうだ。

ミイラの雰囲気的には、体中にお経を書きこみ平家の亡霊からその身を守ろうとした“耳なし芳一”みたいな雰囲気かな。

(写真:ネコのミイラ(バステト神)/大英博物館)

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ミイラ展:前売り1500円
東武動物公園、イルミネーションチケット:1200円

上野→東武動物公園への移動:639円

東武動物公園駅で夕食を食べるなら、日高屋のラーメン屋さんがお手頃。

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